小・中学生教育論2-2(日本語力の要は助詞と接続語)(再掲)

 

助詞をある程度使いこなせたら、次に文と文との関係を把握できるように、接続語を意識的に使うことがおすすめです。エアー接続語(自分で補う原文には入っていない接続語)を考えて入れる練習をしてみることです。

 

エアー接続語を入れる練習は以下のようにしてみましょう。

 

《問題文》

 人間は、運動しすぎると「疲労」という現象が起こる。それは、筋肉が収縮するときに、酸素と栄養分からエネルギーを取り出して、乳酸と炭酸ガスを排出するという化学変化が起こるからからである。運動を長い時間続けていると、酸素や栄養分の供給以上にエネルギーを取り出そうとする。すると、この反応がストップして、筋肉が収縮しようとしなくなる。すなわち、これが疲労である。

 スポーツ選手は肺活量が大きいが、これはすぐに疲労しないように酸素をより多く吸収できる身体にするため、日頃から鍛えているからである。都会の空気は酸素が少ない。都会人はその理由だけでも、疲労しやすくなっている。

 

上記の例文の一文の文頭に(  )を入れてみます。

 

 人間は、運動しすぎると「疲労」という現象が起こる。(   )それは、筋肉が収縮するときに、酸素と栄養分からエネルギーを取り出して、乳酸と炭酸ガスを排出するという化学変化が起こるからからである。(   )運動を長い時間続けていると、酸素や栄養分の供給以上にエネルギーを取り出そうとする。(すると)、この反応がストップして、筋肉が収縮しようとしなくなる。(すなわち)、これが疲労である。

 (   )スポーツ選手は肺活量が大きいが、これはすぐに疲労しないように酸素をより多く吸収できる身体にするため、日頃から鍛えているからである。(   )都会の空気は酸素が少ない。(   )都会人はその理由だけでも、疲労しやすくなっている。

 

 接続詞がそのまま書かれている(すると)と(すなわち)以外の部分に適当な接続詞を入れてみましょう。

 

《解答例》

 人間は、運動しすぎると「疲労」という現象が起こる。(なぜなら)それは、筋肉が収縮するときに、酸素と栄養分からエネルギーを取り出して、乳酸と炭酸ガスを排出するという化学変化が起こるからからである。(そして)運動を長い時間続けていると、酸素や栄養分の供給以上にエネルギーを取り出そうとする。(すると)、この反応がストップして、筋肉が収縮しようとしなくなる。(すなわち)、これが疲労である。

 (×)スポーツ選手は肺活量が大きいが、これはすぐに疲労しないように酸素をより多く吸収できる身体にするため、日頃から鍛えているからである(×)都会の空気は酸素が少ない。(だから)都会人はその理由だけでも、疲労しやすくなっている。

 

 

接続詞だけをチェックして読むと接続詞がない部分の論理がわからないまま読むことになってしまい、文章が理解できない場合があります。全ての(  )の中に接続語は入れることはできませんが、何が入るかを考えることだけで、文と文とのつながりが理解できるようになります。

 

この解答はあくまでも例です。×の部分に「また」や「そして」を入れることも無理をすれば可能です。

 

 日常の会話の中でも、接続語のチェックが家族内でできたら最高です。